AWS IoT SiteWise の特徴

AWS IoT SiteWise は、産業機器からのデータの大規模な収集、整理、および分析を容易にするマネージド型サービスです。AWS IoT SiteWise は、エッジでさまざまな産業ソースからデータを収集し、企業アセットの階層構造を整理して標準化する機能を提供します。SiteWise は、一般的な産業用 KPI (重要業績評価指標) とメトリクスを計算し、異常検出機能とアラームをサポートし、ほぼリアルタイムの分析的インサイトを促進します。 

インジェスト

ゲートウェイ管理

SiteWise コンソールまたは API を使用して、すべての施設のアクティブなエッジゲートウェイを設定、デプロイ、管理、およびモニタリングします。すべての生産ラインの状況を確認するには、SiteWise コンソールを使用して個々のゲートウェイの正常性をリモートでモニタリングするか、AWS OpsHub for SiteWise を使用してオンプレミスで行います。また、Amazon CloudWatch Metrics コンソールを使用してゲートウェイメトリクスを表示し、ゲートウェイリソースの正常性、ステータス、およびパフォーマンスをモニタリングすることもできます。

オンプレミスのデータ収集、処理、およびモニタリング

AWS IoT SiteWise には、オンプレミスソフトウェア AWS IoT SiteWise Edge が含まれています。このソフトウェアは、機器データを AWS に送信する前にローカルで収集、整理、処理、およびモニタリングするために使用されます。SiteWise Edge は、サードパーティの産業用ゲートウェイやコンピュータなどのローカルハードウェア上で動作し、産業機器、オンサイトデータサーバー、またはヒストリアンデータベースへの安全な接続とそこからのデータの読み込みを自動化します。SiteWise Edge は、OPC-UA や MQTT などの複数の産業用プロトコルや、パートナーがサポートするさまざまなプロトコルを使用してデータを収集します。データが収集されたら、データストリームをフィルタリングしたり (例: ユーザー指定のしきい値を超えた気温)、総合設備効率 (OEE) などのアセットメトリクスを定義したり、データの処理方法をカスタマイズしたりできます。処理が完了したら、データをクラウドに送信し、長期間の保存や分析のために、データを他の AWS のサービス (Amazon S3、Amazon Timestream など) に送信できます。

MQTT プロトコル統合とその他のデータインジェスト方法

AWS IoT SiteWise Edge によるデータの取り込みに加え、AWS IoT SiteWise は、AWS IoT Core を使用した MQ Telemetry Transport (MQTT) プロトコル統合など、他のデータインジェスト方法もサポートします。AWS IoT のメッセージブローカーを使用して産業機器からのメッセージを公開しているトピックにサブスクライブし、次に AWS IoT Core ルールエンジンを使用して AWS IoT SiteWise にメッセージをルーティングします。また、AWS IoT SiteWise は REST API も使用し、任意のエッジまたはクラウドアプリケーションが AWS IoT SiteWise にデータを送信できるようにします。

バッファされた取り込み

ほぼリアルタイムのモニタリングから分析的インサイトまで、さまざまなユースケースに対応するために、クラウド上でデータセットを異なる切替速度 (ホット、ウォーム、またはコールド) に設定するかを定義します。AWS IoT SiteWise は、最もコスト効率の高いパスを介してデータインジェストを処理します。

保存

産業用データレイクと統合された時系列ストレージ

AWS IoT SiteWise ストレージは、機器データ用に 3 つのストレージ層をサポートしています。1 つ目はリアルタイムアプリケーション用に最適化されたホットストレージ層、2 つ目は分析ワークロード用に最適化されたウォームストレージ層、3 つ目は高いレイテンシー耐性を備えた運用データアプリケーション用の Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用するカスタマー管理のコールドストレージ層です。SiteWise は、最新のデータをホットストレージ層に少なくとも 30 日間保持し、ユーザー定義のデータ保持ポリシーに基づいて、履歴データをコストが最適化されたウォームストレージ層に移動することで、ストレージコストの削減をサポートします。

コンテキスト化

アセットモデリング

AWS IoT SiteWise を使用してアセット、プロセス、および施設を表す物理的な運用のモデルを構築できるため、機器という観点から産業データを簡単に理解することができます。モデルが作成されたら、単一の施設内または複数の施設全体におけるデバイスと機器間の関係性を正確に表すアセットの階層構造を定義することができます。SiteWise には、他のシステムで現在利用可能なメタデータを一括インポートできる API が用意されています。例えば、ヒストリアンまたは SCADA で現在定義されている機器モデルのアセット定義および階層構造をインポートできます。この機能により、SiteWise でのアセットモデルおよび階層構造の作成、更新、および管理にかかる時間を短縮できます。また、再利用可能なコンポーネントを作成して、ネスト化された新しいアセットモデルを導き出したり、アセットモデル間のバリエーションを簡単に表現したりすることもできます。

アセットの変換と指標

データストリームをマッピングし、静的または計算された機器とプロセスのプロパティをすべての施設で定義して、分析のために即時に利用することが可能です。演算子と関数の組み込みライブラリを使用して、変換とメトリクスの 2 種類のカスタム計算を作成できます。ユーザーが定義した間隔で計算され、機器データが到着したときにトリガーされる変換と、アセットに対して構成したり、アセットのグループからロールアップしたりできるメトリクスを定義できます。AWS IoT SiteWise は、機器のデータ、変換、およびメトリクスについて、一般的に使用される統計集計 (平均、合計、カウントなど) を複数の期間 (例: 1 分、1 時間) にわたって自動的に計算します。これらの自動計算された集計は、AWS IoT SiteWise Monitor ウェブアプリケーションを使用して可視化するか、産業用アプリケーションから取得して使用します。

分析

データの取得

SiteWise は、ほぼリアルタイムのインサイトと分析ワークロードのための、運用データの効率的な取得をサポートします。SQL をアドホック分析に使用したり、ビジネスインテリジェンス (BI) および人工知能 (AI)/機械学習 (ML) アプリケーションのデータをオフロードしたりできます。

さらに、カスタムエッジおよびクラウドアプリケーションは、クエリ API を使って AWS IoT SiteWise の時系列データストアから簡単にアセットデータと計算されたメトリクスを取得したり、パブリッシュ/サブスクライブインターフェイスを使って構造化された IoT データのストリームをほぼリアルタイムで消費したりできます。カスタムエッジアプリケーションは、オンプレミスで実行されている AWS IoT SiteWise Edge ソフトウェアで同じ AWS IoT SiteWise クエリ API を呼び出し、クラウド接続に依存することなく、アセットデータおよびメトリクスを取得することもできます。

アラーム

機器のパフォーマンスを評価するには、AWS IoT SiteWise を使用してアラームを定義および更新します。特定のアラームルールを設定し、そのルールの重大度を選択したら、通知方法 (E メールや SMS など) を選択します。これにより、オペレーターはこれらのアラームを管理できるだけでなく、他の AWS のサービスとリンクさせて通知を統合することができます。AWS IoT SiteWise Monitor は、これらのアラームを視覚的に表現し、リアルタイムデータや履歴データと比較し、チャートや表による包括的なビューを提供できるため、機器のモニタリングと是正措置の計画が簡素化されます。

予測

異常検出機能で機器や動作状況の変化を特定して可視化することで、予知保全のユースケースを解放します。この統合により、お客様は AWS IoT SiteWise と Amazon Lookout for Equipment の間でデータを同期できるようになります。複雑な統合セットを構築したり、コードを記述したりする必要はありません。お客様は、AWS IoT SiteWise を通じて Lookout for Equipment の機械学習モデルを直接簡単に構築できるようになりました。

AWS IoT SiteWise と Amazon Lookout for Equipment を統合するには、追跡するプロパティを持つアセットモデルに予測定義を作成します。収集した履歴データに基づいて予測モデルをトレーニングします。推論をスケジュールして、異常をチェックする頻度を設定します。推論をスケジュールすると、予測モデルは機器から受信したデータをモニタリングし、異常や傾向を探します。新しい推論は IoT SiteWise データストアにインジェストされます。

可視化

産業データダッシュボード

AWS IoT SiteWise Monitor を使用して、ノーコードのフルマネージド型ウェブアプリケーションを作成します。この機能を使用すると、AWS IoT サービスに接続されているデバイスや機器から得た運用データを可視化し、操作することができます。AWS IoT SiteWise によって取り込まれ、モデル化されたアセットデータを自動で検出し、表示することができます。アセットデータと計算されたメトリクスをほぼリアルタイムで表示したり、複数のアセット、および期間による履歴的な履歴の時系列データを比較して分析します。折れ線グラフと棒グラフを使用してデータを視覚化し、しきい値を追加して、しきい値に対するデータをモニタリングします。ユーザーは、ウェブに接続された任意のデスクトップ、タブレット、電話機のブラウザからウェブアプリケーションにアクセスでき、Single Sign-On (SSO) を使用して企業の認証情報を使ってサインインします。管理者は、アセットデータへのアクセスを組織内の任意のチームと簡単に共有するために 1 つ、または複数のウェブアプリケーションを作成して、インサイトの取得を迅速化することができます。AWS IoT SiteWise Edge ソフトウェアを使用してウェブアプリケーションをローカルにデプロイすることもできるため、クラウドへの接続が一時的に中断された場合でも、リアルタイムで工場のフロアで機器データを視覚化できます。

図 1: SiteWise Monitor のカスタマイズされたウェブアプリケーション

AWS IoT SiteWise は、産業機器からのデータの大規模な収集、整理、および分析を容易にするマネージド型サービスです。

AI アシスタント

生成 AI を利用した産業アシスタント

生成 AI を活用した産業アシスタントである AWS IoT SiteWise Assistant を使用して、AWS IoT SiteWise に保存されている運用データから直接インサイトを得て、アクションを実行し、問題を解決します。AWS IoT SiteWise Assistant は、運用データ、製品ドキュメント、標準手順、セマンティックリレーションシップを活用してイベントアラームの概要を生成し、質問に対して状況に応じた回答を提供します。IoT AppKit ダッシュボードの API、パートナーソリューション、または SiteWise Monitor の新しい AI ポータルプレビューのマネージドダッシュボードインターフェイスを使用して、生成 AI アシスタントを呼び出します。既存の Amazon Kendra ナレッジベースをアシスタントのコンテキストに統合し、アシスタントの知識と機能を拡張します。IoT AppKit の AI 対応ウィジェットを利用して、IoT AppKit を使って独自のアプリケーションを構築できます。AWS IoT SiteWise Assistant を使用して問題を診断し、より多くの情報に基づいた意思決定を行うことで、ダウンタイムの削減、プロセスの最適化、生産性の向上を実現できます。

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AWS IoT SiteWise のよくある質問のページをご覧ください。

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詳細については、AWS IoT SiteWise ユーザーガイド、API リファレンス、およびアプリケーションガイドを参照してください。

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